プライベートマーケットへの投資  

2023年5月1日

プライベートマーケットへの投資は、ポートフォリオの分散、超過収益の獲得、市場混乱時のポートフォリオの保護といったメリットをもたらす可能性があります。

プライベートマーケットは、伝統的な投資対象である上場株式や債券とは異なるリスク・リターン特性を有する資産クラスとして、急速に成長し、多様化しており、投資家のポートフォリオに複数のメリットをもたらす可能性があります。

プライベートマーケットへのアクセスには、忍耐と専門性、そして長期的な戦略が必要です。強固なポートフォリオを構築し、目的を達成するためには、プライベートアセットへの投資目的を明確にしたうえで、どのようなプライベートアセットのポートフォリオを構築するのかというグランドデザインを策定することが第一歩となります。プライベートマーケットと一口に言っても複数の資産クラスが存在しており、それぞれが広範かつ多様なサブ資産クラスを構成しています。

  • プライベートエクイティ
    非上場企業に投資を行うプライベートエクイティへの投資は、上場株式投資では得られない幅広い投資機会を提供します。成熟企業への大規模なバイアウト投資から、革新的なスタートアップ企業を支援するベンチャーキャピタル投資まで、大きな可能性を秘めています。共同投資やセカンダリーへの資産配分もまた大きく飛躍しています。
  • プライベートデット
    ダイレクトレンディングやその他の種類のプライベートデット戦略は、未公開の中小企業に対してローン(貸付)形態で資金提供を行う機会を提供します。これらのローンは、伝統的債券の利回りを上回るプレミアムを提供するほか、貸し手保護およびローン評価方法などの特性により下方弾力性(低いボラティリティ)を提供します。
  • 不動産
    不動産投資は、しばしばインフレからの保護を提供します。また、株式よりも低いボラティリティで債券よりも高いリターンを創出する可能性があり、ポートフォリオの分散にも寄与します。テーマ型の不動産戦略は、人口動態、都市化、デジタル経済など長期の重要な変化によってもたらされる投資機会へのアクセスを提供します。
  • インフラストラクチャ―
    インフラストラクチャー資産は、経済や社会の構造を支える重要なサービスを提供します。これらインフラストラクチャー資産への投資を通じて、投資家は、安定的で、伝統資産との相関が低いリターンの享受が期待できるほか、しばしばインフレ対策としても活用されます。また、エネルギー移行、デジタルインフラ、およびその他の革新的なトレンドによってもたらされる投資機会へのアクセスを提供します。インフラストラクチャーへの投資は、投資家のESG目的の達成にも寄与する可能性があります。

プライベートマーケットポートフォリオの構築

伝統資産で構成されるポートフォリオにプライベートマーケットへの投資を追加することにより、分散効果と超過リターンの獲得が期待できます。プライベートマーケットには、幅広く、しばしば複雑な戦略やファンドが存在しており、プライベートマーケットの特性を十分に理解したうえで忍耐強く戦略的なアプローチが求められます。しかし、成功裏に遂行できれば、価値ある結果を享受できる可能性があります。

プライベートマーケット投資機会へのアクセス

マーサーは、プライベートマーケットにおける投資機会を捉える最善の方法は、優良マネージャーへのアクセスを実現することだと考えています。こうしたマネージャーにアクセスするためには、強固な関係、忍耐力、そして柔軟性を持った資金提供が必要です。

マーサーは、プライベートマーケット分野の投資において、その規模、グローバルなリーチ、長い投資実績から、ご投資家様のポートフォリオのニーズに最も適した投資機会を提供します。プライベートマーケットポートフォリオの構築を始める前に、いくつかの留意点を確認しておく必要があります。

個々のポートフォリオのニーズに合った最適なマネージャーと戦略を選定する必要があります。そのためには、マネージャーがご投資家様の要件を満たしているかどうかを確認するための強固なデューデリジェンスプロセスに裏付けられた詳細な調査分析が求められます。マーサーのグローバルリサーチチームは、あらゆる資産クラスにおいて、質の高いマネージャーに関する洞察を提供することができます。

マネージャーがお客様のESG目標と一致しているかを確認することも重要です。プライベートマーケットのマネージャーにおいて、ESG要素を投資プロセスに組み込むケースが増えつつあります。また、インフラストラクチャーをはじめとする一部の資産クラスでは、財務的リターンと並行して、ポジティブな社会的および環境的インパクトを生み出す可能性のある投資機会へのアクセスを可能にします。

プライベートマーケットは流動性の低い資産クラスです。投資家は10年前後の長期に渡り投資先ファンドにコミットすることが求められます。

特定のファンドにコミットした後は、マネージャーが適切な投資機会を特定した際に、速やかに資金を拠出する必要があります。これらの特性から、投資家は、適切に策定されたコミットメント計画と資金管理計画を立てる必要があります。マーサーは、不必要に多額の現金を保有せずに柔軟な資金提供が実現するよう、投資家の予算策定を支援します。

ポッドキャストシリーズ

プライベートマーケットの過去と未来を思案する

進化とは変化であり、変化は連続的であるとしても、そのペースは時間とともに変化します。1940年代に始まったプライベートマーケット投資は、長い年月をかけて変化を遂げながら、今日では10兆米ドル規模の産業にまで成長しています。

プライベートマーケットの資産クラスの詳細

専属のプロフェッショナルチームが、プライベートマーケット内のさまざまな戦略を探求して、お客様のリスクおよびリターンの要件、またその他の目的に適したポートフォリオの構築をサポートします。

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    寄稿者
    Michael Butler
    Deb Wardle
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