機関投資家向け機関不動産

ご投資家様のリスク選好度や投資目的に沿った、質の高いマネージャーや戦略の発掘・選定をお手伝いします。マーサーは、不動産市場の動向を常に把握し、ご投資家様の意思決定に役立つ最新のリサーチや洞察、助言を提供します。

不動産ポートフォリオの構築

不動産資産は、株式よりも低いボラティリティで、債券資産よりも高いリターンを生み出す可能性があります。私募不動産投資には、さまざまなサブ戦略や投資対象セクターが存在しています。ご投資家様のリスク許容度や投資目的に応じて、適切な戦略を選択するお手伝いをいたします。

通常、不動産投資は長期的な投資対象となりますが、地域、戦略、マネージャーによって保有期間が異なります。一般的に、コア/コアプラス型の不動産ファンドはオープンエンド型のファンド形態を取っており、投資家はコミットメントを実施してから数四半期程度で既に投資済みの不動産資産プールへのアクセスが可能となります。

一方、よりリスクが高いバリューアドやオポチュ二スティック戦略の不動産ファンドは、クローズドエンド型のファンド形態を取っており、コミットメントの実施から投資完了まで数年の期間を要します。不動産ファンドへの投資に際しては、地域、マネージャー、戦略の分散が必須となりますが、クローズドエンド型のファンドに投資する場合にはこれに加えてビンテージ年の分散も必要となります。 

不動産投資の主な投資機会

経済のグローバル化やEコマース取引への需要の増加に伴い、貨物の輸送・保管に対する需要が高まっており、 好立地・高品質の物流施設が求められています。

データセンタークラウドベースのインターネットサービスを導入する企業や家庭が増えるにつれ、より多くの物理的なサーバー容量が必要になっています。このスペースへの投資を行う場合、セキュリティとコネクティビティは重要な考慮事項です。

住宅は、私たちにとって必要不可欠な商品です。不動産投資マネージャーは、世界各都市の住宅需要に対応するため、アパートメントなどの居住施設の開発に積極的に資金を提供しています。

ESGと不動産投資

不動産への投資は、実体経済に直接参加することを意味します。オフィス、工業用ビル、住宅、あるいはデータセンターなどのオルタナティブ分野に投資する場合でも、投資家は、地域社会やビジネスに直接的な影響を与えることができます。これらの資産は、具体的な社会的・環境的インパクトを有しており、投資戦略の一環として考慮されるべきです。

マーサーの不動産チームは、サステナブル投資やインフラストラクチャーの専門チームと連携して、査定をすることにより、ご投資家様の投資がもたらすインパクトの全体像を把握できるよう支援いたします。

  • 環境への配慮

    不動産資産においては、汚染やエネルギー効率などの要素は一般的な考慮事項となっています。これらを改善することにより、投資目標の達成のみならず環境にもポジティブな貢献をすることができます。
  • 社会的インパクトへの配慮

    不動産は社会問題に強い影響を与える可能性があります。ソーシャルハウジングへの投資や、雇用を促進したり必要不可欠な施設を提供する不動産資産に投資することにより、コミュニティを支援することができます。

一般的な不動産戦略

不動産投資にはさまざまな戦略が存在しており、それぞれ期待リターンも異なります。投資対象となる不動産のリスク水準によって主なサブ戦略に区分することができます。また、提供されるファンド形態にも違いがあります。

低リスクの不動産ファンドの多くは、いわゆるセミリキッドタイプで、インカムを主なリターンとするオープンエンド型のファンド形態で提供されます。一方、より中/高リスクのバリューアドやオポチュ二スティック戦略を対象とする不動産ファンドは、プライベートエクイティ型不動産とも呼ばれます。これらの戦略は、投資後の資産価値の向上によってもたらされるキャピタルゲインを主なリターン源泉とし、クローズドエンド型のファンド形態で提供されます。

  • コア戦略

    首都圏などの大都市圏における、プライムロケーションに位置する高品質な物件を指します。通常、これらは長期の安定したインカムが期待できる資産であり、適度な流動性も有することから、高い人気を誇っています。
  • コアプラス戦略

    若干のアップグレードの余地があると考えられる高品質な物件への投資であり、コア戦略よりもより高いリターンが期待できます。
  • バリューアド戦略

    資産価値の最大化に向けた改築・再開発を要する資産への投資を指します。流動性が低い傾向にありますが、より高いリターンが期待できます。
  • オポチュニスティック戦略

    不良債権化した不動産や債権、建て替えが必要な「グランドアップ」開発プロジェクトなどが含まれます。これらの投資は、他の戦略で投資される資産と比較して物件を迅速にエグジットすることがより困難であり、非流動性リスクを含むリスク水準がより高くなります。

マーサーによる不動産ポートフォリオの構築支援

不動産投資では、自身のリスク許容度とそれに適した投資アプローチを理解することが第一歩となります。また、グローバル、地域、またはローカルのアプローチを取るかどうかを決定する必要があります。

ご投資家様のリスク選好度やリターン目標に基づき、最適な運用会社や戦略を選択するお手伝いをいたします。

プライベート市場の他の資産クラスと同様に、不動産においても、ファンドによって最終的な投資収益に大きな差異が生じる可能性があります。ファンドの投資戦略や、各マネージャーが案件発掘や引受にどのように取り組んでいるかを理解する必要があります。既存および過去の投資実績を検証することで、ファンドのチームとプラットフォームの強みと深さを判断することができます。投資家のビジョンに整合的なマネージャーを選択する必要があります。

不動産投資は特殊な資産クラスであるため、選択したマネージャーが戦略を実行するための十分な専門知識と運用リソースを有していることを確認する必要があります。

マーサーの不動産チームは、質の高い不動産マネージャーを長年にわたって調査してきました。マーサーは、ご投資家様が動産市場を把握し、市場、マネージャー、戦略、関する最新情報にアクセスできるよう支援します。

ご投資家様のリスク予算と投資目的に合った戦略とポートフォリオを構築するお手伝いをいたします。また、コミットメント計画の策定も支援し、中長期的な観点で十分に分散されたポートフォリオを構築するサポートも提供します。
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