インフラ投資ソリューション

世界の主要市場におけるさまざまなインフラ投資の案件発掘とエグゼキューションをサポートします。マーサーは、ご投資家様のインフラやエネルギー転換の投資機会の調査、発掘、エグゼキューションを支援します。

インフラを通じた投資機会

私募インフラは橋や道路だけではありません。伝統的な発電事業者や公益事業者から最先端のテクノロジー企業まで、幅広い資産を含むアセットクラスです。インフラ資産は社会生活や経済活動に不可欠なサービスを提供するためディフェンシブな性質を有し、投資家が安定的なインカムにアクセスできる可能性を提供します。また、多くの投資機会は、ポジティブな社会的変化と密接に関連しています。

リモートワークの増加により、インターネット接続と物流はインフラストラクチャーのポートフォリオの中核に押し上げられています。データセンターや倉庫は、公益や交通資産と並んで必要不可欠な資産となりました。分散されたサステナブルなポートフォリオ構築に際しては、再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵、送電、公共事業、交通資産、社会インフラ資産(学校や病院など)などが投資対象となり得ます。

一般的なインフラ投資機会

クラウドコンピューティングは、企業運営に欠かせないインフラとなっています。これを支えるデータセンターは、今やデジタルインフラの代表的な資産です。

オンラインショッピングの普及により、それを支える物流への需要も増加しています。その結果、物流倉庫は多くの都市部で必要不可欠な存在になっています。

公共交通機関は、気候変動対策に役立つとされています。より効率的な新しい鉄道、バス、船舶、航空機が重要な役割を果たします。

インフラを通じたサステナブル投資

持続可能性とインフラは密接に関わっています。通常、質の高いインフラ投資では、環境、社会、ガバナンス(ESG)要因が適切に考慮されます。パリ協定で定められた排出削減目標を達成するためには、風力発電や太陽光発電、水力発電など、持続可能なエネルギーが不可欠です。また、高品質なインフラ資産は、長期的に持続可能で弾力性のあるものでなければならないと考えられています。極端な天候の変化や予測不可能な天候の変化などの環境圧力に耐えられるものであることが求められます。

マーサーは、これらの資産に投資することで、急速に成長しているインフラストラクチャー分野へのアクセスが可能になると同時に、サステナビリティ目標の達成や規制要件への準拠を支援します

ESGへの配慮は、すべての資産クラスにおいてマーサーの調査プロセスに完全に組み込まれています。マーサーのインフラストラクチャーのスペシャリストは、インパクト投資や幅広いサステナブル投資のチームと密接に連携し、知識を共有し、洞察を提供し、適切な投資機会を特定します。

インフラ投資における4つのマクロテーマ

インフラ資産には様々な種類があり、その配分方法も様々ですが、その多くは4つのマクロテーマに分類することができます。
  • 1. 気候変動とエネルギー

    気候変動にはリスクが伴いますが、投資家にとっては機会でもあります。風力や太陽光を含む再生可能エネルギー、排出量の少ない新しい輸送形態、エネルギー貯蔵へのニーズは高まっています。
  • 2. 都市化とモビリティ

    都市をはじめとする都心部の成長に伴い、それを支えるインフラはより多くの人口に対応する必要があります。交通システムだけでなく、都市生活に欠かせない他の側面にも投資が必要です。より多くの人々を収容し、健康で持続可能な社会を支えるために、より新しく、より効率的な住宅開発が必要とされるでしょう。
  • 3. デジタル化、データ、インターネット

    インターネット接続は現代社会の基盤となっており、関連する資産は必要不可欠なインフラとなっています。都市部や農村部の高速インターネット接続からデータセンターやクラウドコンピューティングまで、経済のデジタル化をサポートするインフラなどがこれにあたります。
  • 4. 人口動態と高齢化

    人々は長生きし、先進国の人口は高齢化しています。インフラは、これらの人々のニーズをサポートするために適応する必要があります。そのため、病院や介護施設などの医療インフラや、さまざまな移動ニーズをサポートする適切な交通システムへの投資ニーズが増加しています。

インフラ投資におけるリスク管理

インフラストラクチャーは、そのユニークな性質から、独自のリスクを伴う資産クラスといえます。また、プライベートマーケット特有のリスクも有しています。

インフラ資産の流動性は限定的です。これはプライベートマーケット資産に共通することであり、ポートフォリオを構築する際には常に考慮する必要があります。流動性リスクを負うことで、追加的なリターン(流動性リスクプレミアム)を得られる可能性もあります。セカンダリーマーケットの利用は、流動性に対するひとつのソリューションとなります。

異なる年や "ヴィンテージ年"にまたがって分散投資をすることが常に推奨されます。これにより、経済的なイベントによって資産が影響を受けるリスクを軽減し、ポートフォリオのリターンをスムーズにすることが期待できます。3~5年かけてポートフォリオを組み立てることで、さまざまな経済サイクルのポイントをカバーしたポートフォリオを構築できます。

クローズドエンド型ファンドに投資する場合、マネージャーがどの資産を選択するかはコントロールできません。投資家が、資産選択と運用の専門性を重視してマネージャーを選任しても、マネージャーが戦略から逸脱した資産に投資するリスクは依然として存在します。 大規模で洗練された投資家であれば、共同投資を通じてこのリスクを軽減することができます。

多くのインフラ資産は、環境フットプリントを管理する必要があります。国内外における規制や法律により、石油・ガスや従来型の発電などの分野に大きな圧力がかかっています。これらのリスクをポートフォリオ企業レベルで管理できない場合、深刻な風評リスクをもたらす可能性があります。また、エネルギー移行のペースが加速するにつれて、それぞれのセクターに悪影響を与える可能性のある将来の規制変更のリスクも考慮する必要があります。

インフラ資産は、所在する法域に応じて異なる法律および規則の対象となります。これらを遵守しない場合、罰金、制約、監視の強化、風評被害、さらには運用ライセンスの喪失につながる可能性があります。これらの法律やルールは時とともに変化する可能性があり、ポートフォリオはこのリスクを管理できるものでなければなりません。

マーサーは、世界中のインフラストラクチャーのマネージャーと強い関係を有しており、地域や法域を超えたニュアンスについて深い知識を蓄積しています。インフラ特有のこれらの問題を乗り越え、回復力のある持続可能なポートフォリオを構築するサポートを提供することができます。

インフラ資産は複雑で、独自の特徴を持っています。ポートフォリオ企業とニュアンスを理解していると確信できるマネージャーを選定する必要があります。

運営リスクは、事業または資産を効率的に運営できないリスクを、技術的リスクは、設計やリソース管理の問題により資産を正しく運営できないリスクを指しています。マーサーは、ご投資家様のインフラ資産のマネージャーがそのような問題に対応できる能力を有していることを確認するために、堅固なデューデリジェンスが不可欠であると考えています。

インフラ投資機会の選択

インフラストラクチャーは、専門的な知識と長期的な視点を必要とするユニークな資産クラスです。インフラ資産は、さまざまな経済状況下で安定的かつ確実なリターンをもたらす可能性がありますが、こうした恩恵を享受するためのポートフォリオを構成することは容易ではありません。マーサーは、以下の点を考慮した上で、ご投資家様の投資目標に合った戦略の策定を目指します。

  • オープンエンド型とクローズドエンド型、またはその両方を組み合わせた「プログラムアプローチ」や「ファンド・オブ・ファンズ」の仕組みを選択できます。

  • プライベートマーケットの他の資産クラスと同様に、資産タイプ、地域、リスク特性、ビンテージにまたがる適切な分散が図られたポートフォリオの構築が推奨されます。

  • インフラ投資では、コミットメント計画の策定も重要です。ビンテージ分散を図りながら、優良マネージャーのファンド募集タイミングを適切に捉えられるような柔軟性も求められます。マーサーは、適切かつ効率的に投資するための戦略の計画を支援します。

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