2022年ピープルリスクレポート

マーサーのピープルリスク調査では、ビジネスを混乱させる力が最も強い個々のピープルリスクについて調査し、ピープルリスクマネジメントの5つの柱にまたがる上位25のピープルリスクを特定しました。
これらのリスクを軽減するために重要なことは、人材が組織の最も重要な強みである一方で、大きなリスクをもたらす可能性があることを認識することです。
人事およびリスク部門は、発生した事象に対処するのではなく、健康と安全、ESG、そして仕事の未来に関連するピープルリスクを軽減するために協力する必要があります。そのためには、従業員を守るための積極的な対策を含め、リスクマネジメントの基盤をきちんと整える必要があります。
以下は、マーサーのピープルリスク調査のハイライトです。ピープルリスクマネジメントに関する詳細な洞察については、レポート全文をダウンロードしてください。
ピープルリスク管理の障壁
従業員福利厚生をめぐるピープルリスクマネジメント
従業員福利厚生、年金、および報酬の管理は、サイバーセキュリティとデータ保護に次いで、2番目に重大な個人の人的リスクです。従業員福利厚生の管理には膨大な量の個人データが伴うため、サイバーセキュリティとデータ保護にも関わりがあります。
慎重なガバナンスと計画的な戦略がなければ、従業員の福利厚生計画がビジネスレジリエンスをサポートできる可能性は低いと言えます。それでも、企業の5分の3(59%)は、保険と福利厚生に関する効果的なガバナンスを整備していません。福利厚生のコスト抑制戦略を策定しているのは、わずか5分の2(42%)に過ぎません。英国の雇用者の場合、この数値は3分の1(31%)未満にまで下がります。
それどころか、従業員の医療給付がインフレ率の2.5倍で増加しています。従業員福利厚生を賢く設計することが不可欠です。この場合、健康上のリスクを減らすことで支出を最適化するだけでなく、保険会社からの最善の条件の確保を検討する必要があります。
福利厚生および保険プログラムの設計、提供、および財務的決定のための明確なガバナンスアプローチも、コストとリスクを低下させます。福利厚生の設計、管理、コミュニケーション、人事テクノロジー、保険に関する決定を行う役割と責任の定義を含む、正式なガバナンスプロセスの確立を検討しましょう。