グローバル人材動向調査 

仕事、働き方、ワークプレイスを再設計する機会に、組織がどのように取り組んでいるかを明らかに

グローバルなデータ、動向、インサイトと、仕事、働き方、ワークプレイスの再設計への応用を探求する。

働く喜びを取り戻し、すべての人に明るい未来をもたらす、共感力の高い組織

パンデミックでの学びを得た今、企業は共感力を梃に、よりレジリエントで持続可能な「新しい仕事の形」に即した、会社と個人のパートナーとしてのあり方を切り開く大きなチャンスにあります。共感力の高い組織は、仕事の喜びを取り戻し、すべての人にとって明るい未来を創造しています。

昨年、約11,000人のエグゼクティブ、人事リーダー、および社員の方々に、今何が一番重要なのかをお話しいただきました。その結果、共感力の高い組織が仕事、働き方、職場のあり方を切り開いていることを目の当たりにしました。彼らは何に焦点を当てているのでしょう? 本調査によると、共感力の高い組織には5つの共通点があります。彼らは変革を推進するために、常に関連性をリセットし、パートナーシップを組んで仕事をする新しい方法を考え出し、総合的なウェルビーイングを実現し、雇用可能性を高め、集合的なエネルギーを活用しています。

世界で活躍する2,474名の人事リーダーによると、こうした取り組みは2023年まで続くといいます。彼らは、社会政治や経済の不確実性に直面しても、組織や個人が成功するためには、これらの優先事項が最前線で中心であり続ける必要があると認識しています。

未来に対し貴社はどの程度準備ができていますか?

パンデミックは、組織と個人に臨機応変な対応とレジリエンスの重要性を突きつけました。2023年は、野心的な変革計画と根強い課題が新たな現実に直面する、決定的な年となるでしょう。人事部門は、エネルギーと時機を活かし、この先に待ち受けてる未来に向け備えをとる必要があります。
共感力のある組織は、従業員との関わり方、社会貢献のあり方を再定義しています。従来の価値創造の概念に挑戦し、より持続可能で公平な未来を目指しているのです。

この2年の出来事は、投資家や従業員、消費者の意識に甚大な影響を与えました。新たな仕事の世界は、より繊細なニュアンスを持ち、パーソナル化されています。優先順位のリセットや、満たされていないニーズの特定、傾聴、学習、適応に向けた新たなスキルが求められるのです。こうした流れに適応できない企業は、資本調達、人材の維持・獲得、社会への関連性を維持する能力を逸失します。共感力のある組織は、自分たちの目指すところを明確にし、すべてステークホルダーの価値観を反映した「良き仕事」の基盤を構築します。そして、消費者と従業員の行動の原動力に絶えず耳を傾け、適応性の高いカルチャーと慣習を作り上げるのです。

人は会社のために働くのではなく、会社と働きたいと考えています。働き方の未来はより柔軟で代替可能であり、そしてより多くのグローバルに散在する従業員によって押し進められた、これまでよりフラット(管理階層を減らす)でネットワーク化された人材モデルによって決まります。これは仕事というものの社会的な契約の変化を表しており、誰もが公平な待遇を受けていると感じた場合にのみ成功するでしょう。これに対応して、共感力のある組織はエコシステム全体でパートナーシップの考え方を浸透させています。こうした企業は、公平性と包摂性のある人材モデルを用意し、より広く多様な人材プールにアクセスし、サプライヤーやビジネスパートナーとのより強固なネットワークを構築することで、ビジネスにおけるレジリエンスを確立しています。今日では、従業員やステークホルダーたちを「リードする」ことよりも、彼らと「パートナーの関係にある」ことの方が、企業にとっては競争上の優位となるのかもしれません。

パンデミックは様々なグループの健康と富の格差を表面化させた上に悪化させ、医療へのアクセシビリティと医療費助成制度だけではだけでは不十分であることを明確に示しました。昨今重要視されているウェルビーイングROIは、投資収益率(医療関連コストの削減に重点を置いたもの)よりも、従業員の現在および将来の福祉を守るために何が違いを生むかということです。したがって、雇用主は従業員の満たされていないニーズに対応し、情緒的、身体的、社会的、経済的に健全であることを保証する責任があります。共感力のある組織は、健康でやりがいのある持続可能な職場行動を奨励し、重大な局面に個々人に最適化された支援を提供することで、従業員全員がウェルビーイングを実践できるように積極的にサポートします。

スキルと従業員の両方にある重要な需給ギャップによって、 企業が果たす役割は自社のサステナビリティを確保するだけでなく、従業員の将来のエンプロイアビリティを確保する上で、重要であることが明確になりました。パンデミックは将来の組織を構築する中、スキル重視の人材モデルとアジャイルなワークデザインの重要性を強調しました。企業はこれまで以上に、生涯学習のマインドセットを浸透させ、多くの人のキャリアの幅を広げ、あらゆる経歴を持ち、異なる世代の労働者が成功への道を切り開いていけるよう支援しています。

「働き方の未来」は、長期的な取り組みと考えられていました。パンデミックは新しいビジネスモデル、新しい働き方やテクノロジーの構築をする緊急性を飛躍的に加速させました。かつて疑念と抵抗感を持たれていたアイディアが、今やこの時代に最大の挑戦のいくつかを解決するものとなり、多くの人が疲れ果てているものの、こうした挑戦がよりバランスの取れた働き方の未来をけん引するともっと楽観的でもあります。今日、企業には仕事や働き方、職場を再設計することで従業員のエネルギーを解き放つユニークな可能性があります。

地域や業界によって異なる人事リーダーの優先順位  

上位10件の結果
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地域によって異なる人事リーダーの2023年の優先順位

経済状況を踏まえると、2023年はどこに投資しますか? 〔トップ10位の結果〕

地域別リスト

グローバル:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、3. スキルベースの人材プロセスを設計する、4. 報酬のあり方を再考する、5. トータルリワードポリシーの改善、6. リスキル/スキルアップに投資する、7. 総合的なウェルビーイングを提供する、8. 再設計、9. 雇用主ブランドを再構築する、10. 多様なグループの確保

北米:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 総合的なウェルビーイングを実現する、3. 総報酬の改善、4. スキルベースの人材プロセスを設計する、5. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、6. 報酬のあり方を再考する、7. ESGコミットメントの実現、 8.  柔軟な働き方の文化を進化させる、9. 多様なグループの確保、10. リスキル/スキルアップに投資する

ラテンアメリカ:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 自動化の実施、3. 総合的なウェルビーイングを実現する、4. スキルベースの人材プロセスを設計する、5. 仕事の再設計、6. 総報酬ポリシーの改善、7. リスキル/スキルアップに投資する、8. 柔軟な働き方の文化を進化させる、9. 多様なグループの確保、10. 戦略的ワークフォースプランニングの改善

パシフィック: 1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、3. 総合的なウェルビーイングを実現する、4. リスキル/スキル向上に投資する、5. スキルベースの人材プロセスを設計する、6. トータルリワード戦略の改善、7. 多様なグループの確保、8. 柔軟な働き方の文化を進化させる、9. 報酬のあり方を再考する、10. 雇用主ブランドを再構築する

中東および北アフリカ:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 総報酬戦略の改善、3. スキルベースの人材プロセスを設計する、4. 報酬のあり方を再考する、5. リスキル/スキルアップに投資する、6. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、7. 自動化の実装、8. 総合的なウェルビーイングの実現、9. 雇用主ブランドを再構築する、10. 人事業務の再設計

ヨーロッパ:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、3. 報酬のあり方を再考する、4. リスキル/スキルアップに投資する、5. スキルベースの人材プロセスを設計する、6. 総報酬戦略の改善、7. 総合的なウェルビーイングの実現、8. 雇用主ブランドを再構築する、9. 仕事の再設計 10 ESGコミットメントの実現

アフリカ:1. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、2. リスキル/スキルアップに投資する、3. スキルベースの人材プロセスを設計する、4. 総合的なウェルビーイングの実現、5. 報酬のあり方を再考する、6. 人間を中心とした意思決定の展開、7. 従業員エクスペリエンスの向上、8. 再設計、9. 総報酬戦略の改善、10. 雇用主ブランドを再構築する

アジア:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 報酬のあり方を再考する、3. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、4. トータルリワード戦略の改善、5. スキルベースの人材プロセスを設計する、6. リスキル/スキルアップに投資する、7. 総合的なウェルビーイングの実現、8. 仕事の再設計、9. 雇用主ブランドを再構築する、10. 多様なグループの確保

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2023年の人事リーダーの優先事項は業界によって異なります

経済状況を踏まえると、2023年はどこに投資しますか? 〔上位10件の結果〕

業界別リスト

総合:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、3. スキルベースの人材プロセスを設計する、4. 報酬のあり方を再考する、5. 総報酬戦略の改善、6.    リスキル/スキルアップに投資する、7. 総合的なウェルビーイングの実現、8. 仕事の再設計、9. 雇用主ブランドを再構築する、10. 多様性のあるグループの確保

自動車:1. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、2. 従業員エクスペリエンスの向上、3. スキルベースの人材プロセスを設計する、4. 総報酬戦略の改善、5. 報酬のあり方を再考する、6. リスキル/スキルアップに投資する、7. 仕事の再設計、8. 総合的なウェルビーイングの実現、9. 多様性のあるグループの確保、10. 人間を中心とした意思決定の展開

化学:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. スキルベースの人材プロセスを設計する、3. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、4. 仕事の再設計、5. 総合的なウェルビーイングを実現する、6. リスキル/スキルアップに投資する、7. 多様性のあるグループの確保、8. 報酬のあり方を再考する、9. ESGコミットメントの実現、10. トータルリワード戦略の改善

建築:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 報酬のあり方を再考する、3. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、4. スキルベースの人材プロセスを設計する、5. 総報酬戦略の改善、6. 総合的なウェルビーイングの実現、7. リスキル/スキルアップに投資する、8. 自動化の実装、9. 雇用主ブランドを再構築する、10. 多様なグループの確保

消費財:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 総合的なウェルビーイングを実現する、3. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、4. リスキル/スキル向上に投資する、5. 報酬のあり方を再考する、6. 総報酬戦略の改善、7. スキルベースの人材プロセスを設計する、8. 仕事の再設計、9. 雇用主ブランドを再構築する、10. 自動化の実装

教育:1. 報酬のあり方を再考する、2. スキルベースの人材プロセスを設計する、3. 仕事の再設計、4. 従業員エクスペリエンスの向上、5. リスキル/スキルアップに投資する、6. 総合的なウェルビーイングの実現、7. 多様なグループの確保、8. 総報酬戦略の改善、9. 人間を中心とした意思決定の展開、10. 柔軟な働き方の文化を進化させる

エネルギー:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. スキルベースの人材プロセスを設計する、3. 総報酬戦略の改善、4. 報酬のあり方を再考する、5. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、6. リスキル/スキルアップに投資する、7. 総合的なウェルビーイングの実現、8. 自動化の実装、9. 多様性のあるグループの確保、10. 仕事の再設計

金融サービス:1. スキルベースの人材プロセスを設計する、2. 従業員エクスペリエンスの向上、3. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、4. 報酬のあり方を再考する、5. 総合的なウェルビーイングを実現する、6. リスキル/スキルアップに投資する、7. 柔軟な働き方の文化を進化させる、8. 仕事の再設計、9. 雇用主ブランドを再構築する、10. トータルリワード戦略の改善

健康:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 総合的なウェルビーイングを実現する、3. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、4. 報酬のあり方を再考する、5. スキルベースの人材プロセスを設計する、6. トータルリワード戦略の改善、7. 雇用主ブランドを再構築する、8. リスキル/スキルアップに投資する、9. 仕事の再設計 10 多様性のあるグループの確保

保険:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、3. 自動化の実装、4. スキルベースの人材プロセスを設計する、5. 柔軟な働き方の文化を進化させる、6. 総報酬戦略の改善、7. 報酬のあり方を再考する、8. 総合的なウェルビーイングの実現、9. リスキル/スキルアップに投資する、10. ESGコミットメントの実現

ライフサイエンス:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. スキルベースの人材プロセスを設計する、3. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、4. 報酬のあり方を再考する、5. 総報酬戦略の改善、6. 総合的なウェルビーイングの実現、7. 仕事の再設計、8. リスキル/スキルアップに投資する、9. 多様なグループが代表されるようにする、10. 柔軟な働き方の文化を進化させる

ロジスティクス:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 総報酬戦略の改善、3. リスキル/スキル向上に投資する、4. スキルベースの人材プロセスを設計する、5. 総合的なウェルビーイングを実現する、6. 仕事の再設計 7. 報酬のあり方を再考する、8. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、9. 雇用主ブランドを再構築する、10. 自動化の導入

製造:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、3. スキルベースの人材プロセスを設計する、4. リスキル/スキルアップに投資する、5. 総報酬戦略の改善、6. 報酬のあり方を再考する、7. 多様性のあるグループの確保、8. 自動化の実装、9. 総合的なウェルビーイングの実現 10. 雇用主ブランドを再構築する

プロフェッショナルサービス:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. トータルリワード戦略の改善、3. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、4. 報酬のあり方を再考する、5. リスキル/スキルアップに投資する、6. 総合的なウェルビーイングの実現、7. スキルベースの人材プロセスを設計する、8. 仕事の再設計、9. 柔軟な働き方の文化を進化させる、10. ESGコミットメントの実現

小売:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. 報酬のあり方を再考する、3. 総報酬戦略の改善、4. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、5. 仕事の再設計、6. スキルベースの人材プロセスを設計する、7. 総合的なウェルビーイングの実現、8. リスキル/スキルアップに投資する、9. 雇用主ブランドを再構築する、10. 柔軟な働き方の文化を進化させる

テクノロジー:1. 従業員エクスペリエンスの向上、2. トータルリワード戦略の改善、3. 戦略的ワークフォースプランニングの改善、4. 報酬のあり方を再考する、5. スキルベースの人材プロセスを設計する、6. 総合的なウェルビーイングの実現、7. 雇用主ブランドを再構築する、8. リスキル/スキルアップに投資する、9. 柔軟な働き方の文化を進化させる、10. 多様性のあるグループを確保する

組織のベンチマーク

共感力の高い組織が注力するもの、それは「ステークホルダーとの関係性の再構築」「人材とプロセスにおける適応能力の構築」「パートナーシップと不平等への対処」「従業員の健康と総合的なウェルビーイングの向上」「雇用機会の促進」「集合エネルギーの活用」の5つの主要分野です。

共感しやすく持続可能で、人々が望む働き方に合った新しいパートナーシップのあり方とは?

今年の調査結果を確認し、あなたの組織のアクションをベンチマークしてください。

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