ESG投資の基礎 

マーサーでは責任投資を、責任ある投資家(スチュワードシップ)として積極的な対話と行うとともに、環境(Environment)、社会(Social)、コーポレートガバナンス(Governance)、広範囲にわたるシステミックな問題 – 例えば気候変動や持続的な経済成長-といった要素を加味した投資手法であると定義しています。これらの要素を取込むことによって投資リターンは大きく左右される可能性があります。また、上述の要因を考慮することで、持続性のある投資結果をもたらし、将来の年金給付支払い能力を高めることが可能となります。
マーサーの投資哲学では、ESG要因は長期の投資リスク及びリターンに重大な影響を及びし得るものであると考えています。また、マーサーは、以下の1~3の考えを持っています。
  1. 広い視野を持ち、長期的な観点からリスクについて考えることはリスクマネジメントの質を向上させ、新たな投資機会の発掘にもつながります。
  2. 低炭素社会への移行及び想定されるいくつかの気候変動のシナリオからもたらされる物理的損害を考えると、気候変動はシステミックなリスクをもたらします。
  3. 責任ある投資家として積極的な対話を行うことは、投資対象企業の企業価値の増大、よりよい市場を形成するための機会をもたらします。

機関投資家による責任投資に対する手法、適用すべき倫理基準については、様々な形があります。これらの方法は、投資家が要求するリスク・リターン水準(とりわけ、受託者責任を踏まえたリスク・リターン)と年金の受益者、様々な利害関係者のニーズを踏まえた社会的評判との間でバランスをとることを目指しています。

包括的な責任投資プログラムを採用している投資家の大多数は、必ずしも下記の4つの手法のすべてを網羅していなくとも、個別、または複数を同時に適用することで、これらの多くの要素が取込まれたアプローチになっているものと考えられます。

  • ESG要素の取り込み(インテグレーション)

    投資意思決定プロセスの中にESG要因が組み込まれていること、また、ポートフォリオ全体で、気候変動に関する移行リスク及び物理的リスク(物理的損害を被るリスク)に対する明確な手法が組み込まれていること

    目的:数値目標達成及びリスクマネジメントの向上

  • スチュワードシップ

    投資対象企業及び政策立案者と積極的に対話する機会を持ち、議決権行使を通してアクティブオーナーシップ(投資対象企業との積極的な対話)・スチュワードシップ活動を行うこと

    目的:数値目標達成及び金融システム向上に対する貢献

  • 投資

    新たな投資機会の発掘のため、持続可能性に関連するテーマ投資、またはインパクト投資に資金を配分すること

    例えば、再生エネルギー、水、低所得者向け公営住宅整備など

    目的:数値目標達成及び社会、環境に対するプラスのインパクト

  • スクリーニング

    社会的責任を果たしていないと思われる企業、もしくは投資することによって利益を得ることが不適切と判断される企業もしくはセクターを除外すること

    目的:価値基準、社会的評判、リスクマネジメントとの整合性、長期的な投資成果に対する期待

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マーサーの責任投資に対する取組みに関してはこちらのページも併せてご参照ください。(英語)
https://www.mercer.com/solutions/investments/sustainable-investment.html
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