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2024年のオルタナティブ投資に関する主な検討事項 

機関投資家は引き続き多くの課題に直面しています。今年のレポートでは、運用チームが、それぞれの資産クラスにおけるの主要課題と考えるものに焦点を当てています。

ダイナミックなマクロ環境の中で、プライベートマーケットへの投資は、機関投資家のポートフォリオにおいて、代替手段からメインストリームへと移行しつつあります。マーサーの運用チームは、2024年の市場を牽引する問題についての考えを共有しています。

一方、『2024年の投資テーマと投資機会』で特定されたように、『機敏性の時代』では、中長期にわたり幾つかの重要な構造や体制の変化が形成されると見ています。資本コストの上昇や流動性の低下、循環的および構造的なインフレ圧力と加速する気候リスクなどが、投資家がエネルギー転換に対する立場をどのように考え、自然との関係を理解し、新しいインフラ環境で資産クラスにアプローチするかに影響を与えています。

実際、過去1年間、先進国の中央銀行はインフレ対策と金融の安定を維持するという微妙なバランスを求めて、積極的に金融政策を引き締めてきました。これについてはレポート「2024年の経済および市場展望」に記載しています。

こうした動きはすべて、投資家に対して、戦略や投資信念に関する重要な考慮事項を提起しています。

2024年のオルタナティブ投資に関する主な検討事項

金利とバイアウトファンドのパフォーマンスとの関係を考えると、投資家はプライベートエクイティへのアプローチを見直すかもしれません。プライベートエクイティのパフォーマンスにおいて金利は重要な要素の1つですが、潜在的により大きな要因は、エグジット時の市場環境となります。

潜在的に魅力的な人口動態、活発な技術開発、意識の変化、規制の変化は、アジアのヘルスケア市場が検討に値する魅力的な分野である可能性があります。

金利上昇、バリュエーションの低下、M&Aの減少などの課題は、GPにとってより困難な資金調達環境につながっています。

ユニコーン企業に対する最近のテクノロジーセクターの調整や、非伝統的投資家によるレイトステージの資金調達ラウンドからの離脱は、プライベート市場ポートフォリオにおけるベンチャーキャピタルの役割の再評価を促すかもしれません。

私たちは、債務返済コストの上昇、融資基準の厳格化、資本の不足によって特徴付けられる市場環境において、オポチュ二スティック・クレジット投資分野に魅力的な投資機会が存在すると考えています。

金利と不動産バリュエーションの関連性、およびパンデミックの影響を考慮すると、一部セクターや地域市場では市場が底を打ち、現在は魅力的な投資機会を提供している可能性が示唆されます。

エネルギーインフラのサブセクターは、広範な投資活動が見られると考えられます。デジタル化、オンショアリング、電気自動車への移行、エネルギー安全保障などが、こうした投資機会を後押ししています。

金利の上昇により、ヘッジファンドが魅力的な絶対リターンを提供できる世界に戻るならば、この資産クラスは早期にポートフォリオに再び組み入れられる可能性があるでしょう。

投資家にとってセカンダリーを活用するメリットは進化を遂げており、実際「GP主導型」または「コンティニュエーション・ビークル」の人気が高まりを見せています。

「インダストリーのグリーン化」の可能性は、インパクト戦略がより幅広いセクターに拡大し、潜在的なインパクト投資家にとって検討に値する機会を提供していることを示す一例です。

2024年のオルタナティブ投資に関する主な検討事項

最近の重要な出来事がさまざまな資産クラスにどのような影響を及ぼしているか、また2024年以降にどのような影響が予想されるかについては、レポートをダウンロードの上ご確認ください。

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