Dialogue
対談参加者
須藤実彩
DEIイニシアティブのリーダー
2019年新卒入社。製薬、製造、建設をはじめとする幅広い業界を対象に、国内外の拠点における人事制度改革、統合後の人事制度運用支援、日系大手企業のサクセッションプランニング支援のプロジェクト経験を有する。また、社内活動においては、DEIイニシアティブのリーダーを務める
筒井 祐輔
事業開発(スタートアップ)イニシアティブのリーダー
2018年新卒入社。在学中は、ITベンチャー企業での長期インターンに注力し、経営企画を経験。組織を俯瞰する経験を生かし、マーサーでは、組織設計、M&Aに伴う人事制度統合、グループ人事ガバナンス体制構築などのプロジェクトに従事する。
それぞれの思いを胸にマーサーへ
筒井:学生時代にベンチャー企業で長期インターンをしていた経験から、経営に携わる仕事に興味をもち、コンサルタントの仕事に関心を持つようになりました。コンサルティングファームの選考を受けている中で、雰囲気や人当たりの良さ、柔和な感じがすごくいいなと思ったのが、マーサーだったんです。須藤さんとは1年違いで入社、実は大学も同じなんですよね。
須藤:そうですよね。同じ大学出身の方がいらっしゃることは心強いです。私は学生時代から、「日本のジェンダーギャップを解消したい」と考え、関連する課外活動にも参加していました。マーサーの事業を調べる過程で、「人事・制度面からのアプローチにより、男女問わず働きやすい会社づくりや組織・風土づくりをできるのではないか」と考えるようになり、マーサーを志望するに至りました。
筒井:その思いが、現在行っているDEI(Diversity, Equity & Inclusion)イニシアティブにも繋がっているんですね。
須藤:はい。きっかけは、部署での勉強会でした。「日本企業におけるDEIを推進していくために、マーサーの社員として何ができるのかを考えたい」と発言したところ、キャリアリーダーから、イニシアティブの話をいただいたんです。当時、たびたびランチをしながら本テーマについてディスカッションをしていたメンバーとイニシアティブを立ち上げることになりました。目下、マーサーはDEIを推進するコンサルティングファームであると世の中に認知してもらうことを目指して、活動しています。学生時代にも近しい活動をしていましたが、そのとき以上に世の中への影響力や大きな意義を感じています。
筒井:須藤さんの社内共有のカレンダーにDEIランチの予定が入っているなと、思っていました(笑)。もともと関心があってやられていた活動に会社が賛同して、イニシアティブとして採用されたわけですね。
須藤:はい。具体的には、2021年の秋から、多様なロールモデルの活躍事例や企業の制度好事例を個人・企業向けに発信することを目的に、ロールモデル対談という企画を行っています。参加される企業様のDEI推進に関する事例やロールモデルの方々のキャリアストーリーを発信し、多様な個人のキャリア上の悩みを取り除く一助とするとともに、企業のDEI推進施策へのヒントを提供することが今の狙いです。イニシアティブ活動を通じて、最終的には、企業様と一緒にDEIを推進したいと思って活動しています。筒井さんは、どういったイニシアティブ活動をされていますか?
筒井:私が取り組んでいるスタートアップ・イニシアティブでは、スタートアップ・ベンチャー企業向けの新規サービス開発をしています。先進的な取り組みでイノベーションを起こすスタートアップ・ベンチャー企業に対しては、国もさまざまな形でバックアップしているように、世の中の期待も大きいです。一方で、急激な企業成長の過程において、人・組織領域の課題でつまずく企業も少なくないと思っています。これまでマーサーのお客様は大企業や外資系企業が多かったのですが、今後はスタートアップ・ベンチャー企業にも価値を発揮していこうというのが、スタートアップ・イニシアティブの取り組みです。
イニシアティブでの活動での経験がプロジェクトワークに生きてくる!
須藤:筒井さんの場合、イニシアティブ活動そのものが、ビジネスに直結しているんですね。私たちも、「社会通念としてDEIを推進するのではなく、経営戦略の一環としてDEIを推進していきたい」という思いがあり、いずれビジネスに対してアプローチしたいと考えています。
筒井:私のイニシアティブはビジネスに繋がっていると同時に、イニシアティブと他のプロジェクトが相乗効果をもてるように意識しています。たとえば、大企業のグループ会社にはスタートアップの知識が活用できますし、その逆にメガベンチャーを含む大企業の課題解決がスタートアップの参考になることもあります。ナレッジの交流は大事ですね。須藤さんのDEIイニシアティブでの経験も、プロジェクトワークに活かされているのでは?
須藤:普段のプロジェクトワークでも「お客様の関心事がどこにあるのだろう」と考える機会がありますが、イニシアティブのロールモデル対談では「対談相手から何を引き出したらいいのか」と考えながら進めており、この「相手のニーズを意識する」という共通点が、双方に生かされていると考えます。また、イニシアティブのメンバーが増えてきたなか、限られた時間の中で全員が有意義に参加できるように試行錯誤することも、プロジェクトでの振る舞いに役立っています。
筒井:いずれはDEIイニシアティブをビジネスにも繋げたいとおっしゃっていましたが、普段のプロジェクトの中で、DEIが話題となることや、お客様から相談がくることはありますか?
須藤:明示的にプロジェクト化している件数はまだ多くないですが、DEI推進に関する日本の現状や、企業の先進事例などの共有をクライアントからご要望頂くことがあります。また、近年コーポレートガバナンスコードが改定され、企業の中核人材における多様性の確保が求められており、経営者間でDEIがトピックスとして扱われることは多くなってきていると考えます。
筒井:これからそういった相談やプロジェクト機会はどんどん増えるでしょうね。私も日々のプロジェクトの中で、明らかにDEIが経営のトピックスの中にあると感じています。
手を挙げれば、新しいチャンスが得られる!
須藤:もともと興味があった領域について、マーサーに入社してから仕事として取り組めるとは思っていなかったのですが、こういった機会を通じて得られる経験はとても貴重ですよね
筒井:なにより、会社にとって新しい取り組みを自分自身がリーダーとして推進することが、大きな経験になりますよね。もちろん、プロジェクトワークで結果を出していることが前提ですが、マーサーでは、手を挙げれば、様々な挑戦の機会を得ることができます。本人のスキルや全体のバランスは考慮しつつ、手を挙げた人を尊重して、任せられるものは任せる社風があると思います。通常のプロジェクトアサインでも、マネージャーやメンバーを公募していて、誰でもアプライできる仕組みがありますしね。
須藤:私も、やりたいことをきちんと発信したことが、今回のイニシアティブ活動の機会獲得に繋がったと思っています。ただ、日々のプロジェクトワークがメインではあるので、まずは目の前のプロジェクトに全力で取り組んだうえで、やりたいことを発信し続けることが大事だと考えています。
イニシアティブ活動を通じて描く未来
須藤:まずはプロフェッショナルとして一人前になることを目標に、プロジェクトとDEIイニシアティブの活動を並行して頑張りたいと思っています。中長期的には、下の世代の女性をエンパワーメントできるような存在になれたらいいなと思っています。筒井さんはどのようなゴールを描いていますか?
筒井:より多くの人に価値を提供して、認められ、「筒井がいてくれてよかった」と思われる人になりたいですね。クライアントからはもちろんのこと、社内で一緒に仕事をしている人や協力してくれる人の役にも立ちたいと思っています