マーサー「2023年 世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐ 都市ランキング」を発表
上位10都市のうち7都市が西ヨーロッパ、うち3都市がドイツという結果に
2023年12月19日
組織・人事、福利厚生・ウェルビーイング、年金・資産運用のグローバルリーダーであるマーサーは、海外派遣者とその家族の日常生活における生活環境を評価する「2023年 世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐都市ランキング」を発表した。
首位にウィーン、続いてチューリッヒ、オークランド、コペンハーゲン、ジュネーブがトップ5を占め、スイスの生活の質の高さをさらに際立たせている。
マーサーのパートナー兼グローバル・モビリティ・リーダーであるYvonne Traberは以下のようにコメントする。
「本調査から、国民や海外派遣者に優れた医療、教育、インフラ、社会サービス、手頃な価格の住宅を提供している生活の質の高い国々が分かります。現在の世界情勢は、地政学的な混乱や自然災害、その他の経済的課題の影響を受けており、これらはすべて、その都市が人材を引き付け維持する能力に重大な影響を及ぼしています。多くの従業員が優先順位を再考し、自身と家族が暮らし働く場所で提供される生活の質を求めているのです。多くの雇用者とその従業員にとって、これら要素を明確にすることは、海外派遣を検討する際の意思決定に役立ちます」
人口1,000万人を超える世界の大都市では、パリ(総合32位)、ニューヨーク(総合40位)、ロンドン(総合45位)がいずれも上位20%にランクインしている。海外派遣者にとって憧れの場所であり人気がある都市ではあるが、このような規模の都市はインフラ面で課題を抱えていることが多い。
雇用者のサステナビリティへの関心に応えて、マーサーは世界で最も環境に優しい都市をランキングした。キャンベラ、オスロ、アデレード、ヘルシンキ、オタワの各都市は、大気汚染の削減、水の利用可能性と飲用可能性の改善などの効果的な対策を含む取り組みにより、上位にランクインしている。
地域別分析
ヨーロッパでは、豊かな歴史、圧巻の建築物、活気ある文化シーンで知られるウィーンが、生活の質が最も高い都市として1位に輝いている。チューリッヒは、政治的安定性、清潔さ、優れたインフラが評価され、総合2位となった。
バンクーバー(総合8位)は今年、北米で最も上位にランクされた都市で、アウトドア・レクリエーションと国際的な生活が融合したユニークな環境を住民に提供し、その質の高いライフスタイルに貢献している。サンフランシスコ(総合37位)は、整備されたインフラや快適な気候、大気の質が評価され、全米1位に輝いた。モンテビデオ(総合89位)は、 ラテンアメリカでトップの都市となった。
中東のランクをリードするアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(総合79位)とアブダビ(総合84位)は、近代的なインフラと多様な外国人コミュニティで知られている。アフリカで最も生活環境の質が高い都市は、ポートルイス(総合88位)だった。
アジアで1位、全体で29位のシンガポールは、清潔で安全な環境と非常に効率的なインフラを提供している。また、太平洋地域で最も上位にランクインしたのはオークランド(総合3位)だった。
順位 | 都市 | 所在地 |
---|---|---|
1 | ウィーン | オーストリア |
2 | チューリッヒ | スイス |
3 | オークランド | ニュージーランド |
4 | コペンハーゲン | デンマーク |
5 | ジュネーブ | スイス |
6 | フランクフルト | ドイツ |
7 | ミュンヘン | ドイツ |
8 | バンクーバー | カナダ |
9 | シドニー | オーストラリア |
10 | デュッセルドルフ | ドイツ |
2023年 世界生活環境調査‐ 都市ランキングについて
マーサーの世界生活環境調査(Quality of Living Survey)は、企業が公平で一貫性のある海外派遣者の手当を算出できるよう、世界450都市以上における生活環境を評価しています。生活環境は、政治・社会環境、経済環境、社会・文化環境、医療・健康、学校・教育、公共サービス・交通、レクリエーション、消費財、住宅、自然環境の10カテゴリーに分類され、39項目にわたり分析しています。
2023年版世界生活環境ランキングで使用されたデータは、2023年9月から11月にかけて分析され、状況の変化を考慮し定期的に更新されています。特に、政治、経済、環境の重要な進展を反映させるために、評価は改訂される予定です。また、すべての指数は、ニューヨーク市を基準都市として算出しています。これは、ニューヨーク市が海外派遣者にとって魅力的で人気も高く、39の要素において高いスコアを示しているためです。
日本では、日本から派遣されている海外派遣者が「派遣先の生活環境をどう感じるか」に主眼をおき、実際に海外派遣している日本人を対象とした「日本人海外生活環境調査」を基にしたハードシップデータ『日本人世界生活環境レポート』を多くの企業にご利用いただいています。今回発表しているランキングとは生活環境の捉え方や調査・分析手法が異なります。
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