マーサー、昇給・リスキリング・キャリアに関するスナップショットサーベイ結果を発表 

2023年3月16日

組織・人事、福利厚生・ウェルビーイング、資産運用のグローバルリーダー、マーサーの日本法人であるマーサージャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO 草鹿 泰士)は、昇給・リスキリング・キャリアに関するスナップショットサーベイ結果を発表した。

インフレが進む中、各企業の昇給、いわゆる賃上げに関する動向への関心が寄せられている。また、昇給を一過性のものとしないために重要な、労働市場の構造的改革を実現するために、個人のリスキルやキャリア自律の促進に注目が集まってきた。これら論点は、個別企業の人事政策にとどまらず日本企業の競争力強化につなげていく、現政権の重要な経済政策の一つと位置づけられている。

このような背景を踏まえ、マーサーではこのたび、賃金、リスキリング・育成、異動・社内公募、人事制度、政策に関する調査項目を設けて、2023年2月14日から28日にかけてスナップショットサーベイを実施し、174社の企業から回答を得た。

本サーベイについて、マーサージャパン 組織・人事変革コンサルティング部門 代表の山内博雄は、次のように述べている。

「賃上げを一過性のブームに終わらせず、継続的な生産性改善を通じた賃金上昇につなげていく上では、従業員のリスキル・自律的なキャリア開発が不可欠です。多数の日系・外資系企業からの回答が得られた本調査結果を、ぜひ今後の経営方針、人事施策立案に役立てていただくとともに、わが国全体の人材競争力強化に向けた政策検討につなげていければ幸いです」

主な調査結果

向こう1年間で賃上げ(ベースアップ、賃金テーブルの見直し、通常の定期昇給以上の昇給)を検討している企業は、回答企業の約5割にのぼる。一方、定期昇給を含めた賃上げの平均値は3.0-3.5%程度と推定され、消費者物価指数の前年同月比上昇率(4.3%)に比べて劣後する。

総務省「2023年1月分 2020年基準 消費者物価指数」
リスキリングが必要と考える企業は77%にのぼる一方で、従業員のリスキルに向けた予算を増額する企業は全体の28%、研修・再配置などの具体的施策を実行した企業は23%にとどまる。リスキルの必要性を認識しつつも、多くの企業で具体的な取り組みは今後の課題である様子がうかがえる。
管理職の人事制度が「ジョブ型」・「どちらかというとジョブ型」・「ジョブ型とメンバーシップ型のミックス」という企業は、全体の52%となる一方、一般従業員では34%にとどまる。また、「本人主導の異動(会社主導だが本人の同意をとる または 会社と本人の同意をとる)」が行われている企業は30%にとどまる。社内公募制度は回答企業中の66%で導入されているが、「公募を利用した異動が活発に行われている」企業の割合は26%となっている。全体的に様々な制度導入が進む一方で、個人のキャリア自律の本格的実現は、多くの企業でいまだ十分ではない様子が見受けられる。

調査概要

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2023年2月14日-28日
  • 回答企業:174社

マーサーについて

マーサー はより輝かしい未来は築くことができるものと信じています。私たちはクライアントと共に、仕事そのものを再定義し必要な改革に導き、退職制度や年金の投資成果を再構築します。そして、真の健康とウェルビーイングへと導くビジョンを掲げています。全世界約25,000名のスタッフが43ヵ国をベースに、130ヵ国でクライアント企業と共に多様な課題に取り組み、最適なソリューションを総合的に提供しています。マーシュ・マクレナン(NYSE:MMC)の一員として、日本においては40年以上の豊富な実績とグローバル・ネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス支援を行っています。

マーシュ・マクレナンについて

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