マーサー、日本総報酬サーベイ(Total Remuneration Survey)2019年度の結果を発表
日本, 02 12月 2019
- 参加企業数は679社(昨年比118%)と大幅に増え、そのうち日系企業は105社(昨年比172%)で過去最大規模に。
- 日本企業の年間報酬水準の結果として課長は932万円、部長は1,293万円。
- 外資系企業で経営幹部クラスの報酬は日本企業の約1.5倍と水準ギャップが浮き彫りに。
世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサーの日本法人であるマーサージャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役・島田圭子)は、日本における報酬に関する市場調査「Total Remuneration Survey (以下、TRS)」の2019年版レポートを発表した。
日本における人口動態や経済成長の変化を背景として、新卒一括採用、終身雇用を前提とした組織内での公平性を重視する日本型の人材マネジメントの賞味期限が叫ばれるようになった。解消されない労働力不足と人材の流動化を受けて、企業間での人材獲得競争は過熱し、人材市場から企業に対するプレッシャーは高まる一方である。
個性的な採用方法や、革新的な報酬体系がニュースになる中、日本企業が人材の獲得優位性を確保するために、今や“報酬競争力”は欠かせない要素のひとつと言って差支えない。これを裏付けるように、本サーベイにおいても、日本企業の参加企業数は44社増加し、過去最多となる105社を記録した。2019年は、日本企業にとって報酬競争元年として振り返られる年となるだろう。
マーサージャパン プロダクト・ソリューションズ リワーズ クライアントサービス コンサルタントの曽田純平は、本年度報酬サーベイへの参加企業について以下の通り述べている。
「これまで、マーサーの報酬サーベイは外資系企業様を中心に、報酬マネジメントに活用されており、日系企業様の参加は一部にとどまっていたのが実情でした。ところが、2019年の本調査では報酬サーベイに初参加いただく日本企業が急増し、報酬データベースとしては過去最大規模のものになりました。日本における報酬マネジメントの潮目が変わったように感じています」
また、報酬データベースを基に数多くの報酬ベンチマークプロジェクトを手がけるマーサージャパン プロダクト・ソリューションズ リワーズ ソリューションコンサルティング シニアコンサルタント 伊藤実和子は、以下のように付け加えた。
「人材市場における報酬競争力確保に向けた議論の第一歩は、自社報酬水準の位置づけの見える化です。世界共通のフレームワークを用いて、客観的に人材競合の市場水準値に対して自社報酬水準を位置付け、人材獲得に向けた報酬課題が浮き彫りになって初めて、報酬に関わる議論を建設的に進めることが可能になります。
一方、報酬ベンチマークには議論を停滞させてしまう危険もあります。例えば、市場ベンチマークのはずが、①部門・個人の業績や能力を加味した報酬の序列付けに終始してしまう②類似する人材課題を抱える同業種・規模企業との比較に留まってしまう、等のケースです。ぜひとも、お取組みの推進に向けて効果的に報酬データベースをご活用ください」
マーサージャパン プロダクト・ソリューションズ リワーズ 報酬サーベイ総責任者 プリンシパル 児玉由美子は、今後の日本における報酬マネジメントについて下記の通り言及している。
「日本において、これからますます激化する人材獲得競争を制するために、企業は報酬水準が競争力を有しているのはもちろんのこと、既存の従業員を引き止め、魅力的な報酬を伝えて行くために、現行報酬の根拠を示し透明性を確保することも求められるようになるでしょう。
本サーベイの調査結果は、グローバル共通のフレームワークに沿ってデータが整理され、報酬水準データだけではなく報酬・評価に関わる制度情報も含まれており、市場報酬水準と自社水準の比較から包括的な報酬戦略の策定まで幅広くお使いいただきやすい情報をそろえております。
また、マーサーでは市場報酬データの活用に際するサポートとして、データベースの使い方のご案内や他社事例のご紹介、その他レポートサービス等も展開しておりますので、あわせてお役立ていただければ幸いです」
調査結果ハイライト
参加企業数は過去最多の679社(前年比99社増加)
- 日本企業の年間報酬水準の結果として課長は932万円、部長は1,293万円
- 外資系企業で経営幹部クラスの報酬は日本企業の約1.5倍
- デジタル職種(専門職)*の報酬はその他職種の約1.2倍
*Business Intelligence (BI) Data Analysis職およびData Science/Big Data Mining職の、Professional層の比率平均 - 中長期インセンティブ導入率は約45%に到達。日系企業では約27%
- 見なし残業の導入率は36% 水準は30時間/月(Median)
2019 TRSデータのサンプル構成
日本の報酬特性を確認する 日系では昇給予算は全職位に公平分配が原則
- 直近3年の報酬水準の動向を外資系企業・日系企業で比較すると、スタッフ層では日系企業の方が昇給率が高く、外資系企業の報酬との差が縮まった一方、経営幹部報酬においては差が拡大している
- 日系企業の昇給予算は従業員層に広く撒かれているのに対し、外資系では経営幹部層に集中投下されている
日本の報酬特性を確認する 外資の経営幹部クラス報酬は日系の150%超
- 直近3年の報酬水準の動向を外資系企業・日系企業で比較すると、スタッフ層では日系企業の方が昇給率が高く、外資系企業の報酬との差が縮まった一方、経営幹部報酬においては差が拡大している
- 日系企業の昇給予算は従業員層に広く撒かれているのに対し、外資系では経営幹部層に集中投下されている
マーサー総報酬サーベイ(Total Remuneration Survey)はこちらをご覧ください。
マーサー 総報酬サーベイ(TRS)について:
マーサーが30年以上実施している『総報酬(給与・福利厚生)』のコンセプトに基づく市場調査で、一般に総報酬調査・総報酬サーベイとも呼ばれるものです。
Total Remuneration Survey(TRS)の特徴:
- 世界129ヵ国および中国19都市で実施され、グローバルトップを含む32,000社以上/1,300万人以上のトップポジションから非管理職層まで、全役職員の報酬情報を収集、提供しています。
- 世界同一基準で実施されており、国内だけでなくグローバルで横断的にご活用いただけます。
- 基本報酬、固定/変動賞与、各種福利厚生等の報酬水準のみならず、昇給率、賞与支給状況、雇用動向など労働市場のトレンドも確認することができます。
- 日本では、2019年は679社が参加し、日本の報酬調査として圧倒的な規模となります。
マーサーについて
マーサー (英語社名:Mercer、本社: ニューヨーク、社長兼CEO:Martine Ferland) は、組織・人事、福利厚生、年金、資産運用分野におけるサービスを提供するグローバル・コンサルティング・ファームです。
全世界約25,000名のスタッフが44ヵ国をベースに、130ヵ国以上でクライアント企業のパートナーとして多様な課題に取り組み、最適なソリューションを総合的に提供しています。
日本においては、40年以上の豊富な実績とグローバル・ネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス提供を行っています。組織変革、人事制度構築、福利厚生・退職給付制度構築、M&Aアドバイザリー・サービス、グローバル人材マネジメント基盤構築、給与データサービス、年金数理、資産運用に関するサポートなど、「人・組織」を基盤とした幅広いコンサルティング・サービスを提供しています。
マーサーは、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン証券取引所に上場している、マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(証券コード: MMC)グループの一員です。 マーサーについての詳細は、以下をご参照ください:
マーサージャパン ウェブサイト
Mercer(Global) ウェブサイト
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズについて
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(ニューヨーク証券取引所コード: MMC)は、グローバルプロフェッショナルサービスを提供する企業グループとして、顧客企業にリスク、戦略、人材分野の助言とソリューションを提供しています。
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズはマーシュ(保険仲介とリスクマネジメント)、ガイ・カーペンター(再保険仲介・コンサルティング)、マーサー (組織・人事マネジメント・コンサルティング)、そしてオリバーワイマン(戦略コンサルティング)から構成されており、年間総収入170億米ドル超、全世界に76,000名の従業員を擁し、世界各地の顧客に分析、アドバイスを行い、各種取引を支援しています。
当グループは責任ある企業市民として事業展開しているコミュニティに貢献しています。詳しい企業情報については www.mmc.comをご覧ください。
本件に関するお問い合わせ
マーサージャパン株式会社
広報
Tel: 03 6775 6622 pr.japan@mercer.com